子どもたちの悩む顔が楽しい / Would You Rather…

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英語絵本の読み聞かせってどうするの? といわれるのですが、わたしの場合は、まず英語で見開きを読んで、そのあと日本語で意訳して読みきかせます。最近は子どもたちも知っている単語など、一緒になって声に出して読んだりします。

「Would You Rather…/どれがいい?」は、わたしが夢中になっている作家ジョン・バーニンガムの絵本。彼の絵本は子どもたちも大好きで、たくさん紹介したいのですが、まずはこの一冊を。

王様とお城で夕食、気球に乗って朝食、船の上でティータイム…なんて素敵なあまり、選びがたい選択もあれば、蜘蛛のシチュー、かたつむりのスカッシュ、ナメクジ団子なんて、どれも選びたくないけど…という選択肢が次々出てきます。(このhorribly foodsを食べさせようとしている先生らしき女性の表情もすっごくhorrible。)

子どもたちに「Would you rather…」 といってページを開いてみせると、うーん、うーんと悩みながら、ときには英語で、ときには日本語で選んでくれます。絵を見れば単語の意味もわかるので、とっても覚えやすいです。

お母さんがカフェで大騒ぎするのと、学校の自分のクラスでお父さんがダンスするのと、あなたならどっちが恥ずかしい? バーニンガムの絵本には、いつもユーモアが溢れているのですが、ブラックなところもたくさんあります。イギリス人気質なのかな。

同じイギリス人作家・チャーリーとローラシリーズなどで有名なローレン・チャイルドの作品「I Am Not Sleepy and I Will Not Go to Bed/ぜったいねないからね」にも、カバがベッドで寝ているシーンがあるのですが、これはこの「Would You Rather…」からの引用なのかなと勝手に推測しています。バーニンガムの絵本はイギリスで愛されていますから。(ローレン・チャイルドについてはまた別の機会に。)

そんなバーニンガムのトリコになった方には、絵本ではないですが「わたしの絵本、わたしの人生—ジョン・バーニンガム」もお薦めです。生い立ちやイラストレーターとしての仕事についても詳しく知ることができます。

Would You Rather…
Author and Illustrator / John Burningham
Publisher / Crowell
1978

そのほかのジョン・バーニンガムお薦め絵本
Mr.Gumpy’s Outing
やさしいガンピーさんのふなあそび。次々にふねに「のせて」といってくる動物たちをこころよくのせてあげるのですが、ついには川に転覆。でも、ガンピーさんは気にしないで、みんなと一緒におうちに帰ってティータイムをします。このティータイムが本当に素敵。こんなティータイムが似合うイギリスという国への憧れがつのります。のんびりゆったり、バーニンガムの絵のほのぼのさに癒されてみて。「Bolka」で受賞したケイト・グリーナウェイ賞再受賞作。

Granpa
おじいちゃんと孫娘のふれあい。「How’s my little girl?/やぁ、げんきかい」とおじいちゃんが語りかけるところからはじまります。一緒に遊んだり、歌を歌ったり、アイスクリームを食べたり、おじいちゃんと一緒に過ごす日々が描かれます。孫娘の質問や受け答えに、子どもたちも共感します。最後におじいちゃんのいない椅子をみるとき、子どもたちは何を感じるのでしょう。雑誌Pooka+にて酒井駒子さんも絶賛の絵本です。エミール/クルト・マッシュラー賞受賞作。