小原玲さんの講演会に参加して。

DPP07D90B0D093453

先日、子どもたちが通う小学校で動物写真家・小原玲さんの講演会が行われた。カナダでアザラシの親子を20年以上にわたり撮り続け、年々小さくなる流氷を目の当たりにした小原さんは、温暖化の問題を早くから叫ばれてきた環境活動家でもある。
今日、エコにまつわる言葉を目や耳にしない日はない。でも行動は伴っているだろうか? 以前、うちの子どもたちは「♪みんなでへらそうシーオーツー」という陽気な歌を覚えて帰ってきたけど、そういうのを聞いていると力が抜ける。注意喚起は大事だが、そろそろ具体的なアクションが必要だと思う。
小原さんのお話で印象的だったのは、「相手を好きになろう」というくだりだ。子どもたちにアザラシの赤ちゃんの写真を見せると、みんな口をそろえて「かわいい!」と言う。そしてアザラシを好きになることで遠い北の海の変化に心を痛め、「彼らが喜ぶことを、彼らのためにできることを、子どもたち自身が考え始める」と。
昨年「アース」を家族みんなで観てから、僕はなにかにつけてホッキョクグマを引き合いに出す。最後のシーンで悲しげに横たわったあのホッキョクグマを。灯りをつけっぱなしにしたり、近い距離でクルマに乗ろうとすると、「きっとホッキョクグマが困るよ」と。すると子どもたちは競って灯りを消す。自転車に乗って買い物に行き、デイバッグいっぱいの荷物を背負って帰ってくる。学校で待機電力の無駄を教わった長男は、コンセントからプラグを抜いていく。
なんのために、だれのために、CO2を減らすのか。地球温暖化を止めなきゃいけないのか。目的や対象を明確にすれば、子どもも大人もより積極的に行動できるはず。エコはかけ声だけではすまされない。一人ひとりが行動することが大事なんだ。

arrow 小原玲さんのウェブサイト