コーヒーの話 / collabo #011

僕はコーヒーが苦手でした。胃がムカムカして気持ち悪くなるので、うちのコーヒーはごくごく薄め。ぱっと見は紅茶のようなコーヒーは、義父に「これ? コーヒーか?」と笑われるほどでした。
それが本山のmilou(ミル)さんのコーヒーを飲み始めてから、次第にコーヒーらしい濃いものが飲めるようになりました。苦いけどおいしい。いや、苦いからおいしい、か。真っ黒になるまで焙煎された深煎りの豆は見るからに苦そう(=キツそう)なのですが、milouさんによれば、実は深煎りほどカフェインが飛び、胃にもやさしいのだとか。たしかに今でもほかのお店でコーヒーをいただくと、かなりの確率で以前のムカムカが復活。場合によっては「今日の晩ご飯パス〜」なんてこともあります。そう、コーヒーそのものに慣れたのではなく、milouさんのコーヒーに慣れてしまった、それしか飲めなくなってしまったのかと思うと愕然とするわけですが、もう後戻りはできません。
そんなおいしいコーヒーの秘密をmilouの店主である鈴木さんに直接書いて頂きました。ふだんはダジャレばっかりでまったくこの人は…と思うのですが、コーヒーの話となると真剣そのもの。撮影でお邪魔した焙煎室でも1分ごとに豆の温度を測り、焼き色をつぶさに観察。事前にハンドピックで一粒一粒選別した豆を、焙煎のあとでも再度チェックするというていねいな仕事ぶりはまさに職人です(焙煎機の中で引っかかって、焦げてしまう豆が出てしまうらしいのです)。「コーヒーは苦手だなー」という人にこそ、読んでほしい4p。milouさんのコーヒーの香りと味が伝わればと思います。

* milouさんについて書いたエントリーがあります。こちらも合わせてどうぞ。
「海をながめているような / milou(ミル・本山)」