ミナと百草。重なる思考。

雨の月曜日、多治見のギャルリももぐさを訪れた。先のエントリー()でも書いた「ミナ ペルホネン つくりの回生 +百草」を観るためだ。
大きな引き戸を開くと、平日だというのにたくさんの靴が並んでいる。その先には皆川明さんのラフスケッチや手書きのメモが並ぶ。奥の部屋の服や鞄なども素敵だったが、僕がもっとも惹かれたのはこの展示だった。ざっくりと描かれたモチーフやデザインのかわいさ。そしてノートに走り書きされた真摯な言葉とやさしさ。しとしとと降り続く雨で冷えこむギャラリーでも、たしかな温かさを感じた。
中でも印象深かったのは「呼吸→情報を知り、情報を流す」という一文。忙しさにかまけて仕事をこなすことに気を取られがちだけれど、つねに新しい何かを求め、考え、発信していく姿勢。その繰り返しが常に一線で活躍し、錆びない秘訣なのだろうか。
事務所に戻り、ギャルリももぐさのウェブで今回の企画展に寄せられた安藤雅信さんの文章「空から 地上から」を読む。安易なリセットをすることなく続けること、積み重ねることの大切さ。そして「作り手良し、使い手良し、地域良しの三方良し」の実践。企画展を見ながらぼんやり考えていたことが頭の中でひとつにまとまり、収まっていく感覚がした。
本当に素敵な企画展であった。つくることを生業にされている方には、きっと得るものが多いのではないかと思う。少々訪れにくい場所ではあるけれど、機会があれば、ぜひと思う。

「ミナ ペルホネン つくりの回生 +百草」は、12月26日(日)まで開催されています。

* 初冬(なのに熱い)多治見へ。

ギャルリももぐさ
ミナ ペルホネン