古本の街に恋をして 2 / Trip to Hay-on-Wye 2

ヘイへ行くきっかけになったのは、近くの大学図書館で見つけたイギリスの30年ぐらい前の本でした。「Words in Action / J.C.Richard / Oxford University Press」、子ども向けに英単語を紹介したものですが、例文のおもしろさやユーモアあるイラストが楽しくて夢中になりました。図書館に行くと毎回のように借りていたのですが、できることなら手元においておきたい、自分の本にしたいと思うようになりました。
そこで日本やイギリスの古本屋さん、もちろんネットでも探してみたのですが見つかりません。そんなときに古本の街、ヘイ・オン・ワイのことを知りました。早速、ヘイにあるいくつかのお店のサイトでも検索しましたが、やっぱり見つかりません。でも、もしかしたら、サイトを持っていない本屋さんにあるかもしれない。そう思うと、ヘイに行きたくて仕方なくなりました。そして次第にヘイの街そのものに興味がわいてきました。
古本の街として有名で、世界中からたくさんの人が訪れるということ。人口1,500人ほど小さな街なのに本屋さんが30軒ほどもあるということ。毎年5月末から6月初旬に開かれるヘイフェスティバルという文学祭があること。街が国立公園の中にあり、自然豊かで美しいこと。知れば知るほど行きたくなりました。
そして今回初めて訪れたヘイの街は、想像以上に素敵なところでした。仕事の都合でフェスティバルに間に合わなかったのは残念でしたが、穏やかに晴れ渡る空の下、バラや花々が美しく咲き、とてもかわいい街でした。
すべての本屋さんには行けませんでしたが、どのお店の店主もやさしく親切で、「Words in Action」をいっしょに探してくれました。また本の値段も驚くほどリーズナブルで、経営が成り立つのかな?と心配になるぐらい。そして本屋さんだけでなく素敵なアンティークショップや雑貨屋さん、カフェやチャリティショップもありました。おじいさんやおばあさんがゆったりと散策していたり、店主と楽しそうに話している姿も印象的で、穏やかで美しい古本の街にすっかり魅了されました。


最初に訪れたのは「THE HAY BOOK COMPANY」 きれいな青色の外観がかわいい本屋さんです。地下から3階まで、まるで屋根裏部屋のような小さい部屋がいくつもあって冒険心がムクムク。部屋ごとに「文学」、「科学」、「映画」などのカテゴリ分けがされ、椅子もあってゆっくりくつろげました。


次は「HAY-ON-WYE BOOK SELLERS」。この本屋さんはヘイ城の前にあり、ヘイを紹介するサイトでもよく見かけるお店です。部屋は広くてゆったり、お客さんもたくさんいました。古書と新刊が分けられていましたが、新しい本が多い印象でした。


B&Bのマダムがヘイで一番大きい本屋さんと紹介してくれたのが「hay cinema book shop」。もともとは映画館だったのでしょうか? 店の前にも本が並び、木造の倉庫のような店内にはコーナーがいくつも仕切ってあって、数え切れないほどの本があります。


C. Arden Bookseller」はお庭が素敵な書店。まるでカフェのようですが、緑のアーチをくぐって中にはいると植物学、博物学、ガーデニング、養蜂などの専門書がずらりと並んでいました。


Richard Booth’s Bookshop」はキング・オブ・ヘイと呼ばれるリチャード・ブースさんの書店。ヘイを古本の街にしたのはこの人。書店は洗練された感じで広く、たくさんの本とソファがならびます。カフェも併設されていました。


Rose’s Books」は子どもの本と希少な絵本の専門店。ピンクの外観と影絵イラストの看板がかわいくて、絵本が好きな方にはかなりオススメ。白いクマのキャラクターRupert Bearの部屋があり、絵本のコレクションが充実していました。


「Backfold Books」ヘイのバス停やツーリストインフォメーションの向かいにある本屋さん。雑貨などを売るお土産屋さんぽいコーナーの方が充実していたような気もします。わたしも本ではなく、かわいい陶器のオルゴールを買いました。


通りの外れの本屋さん、だからBOOKENDSなのでしょうか。


街にある2軒の製本屋さんのうちのひとつ。

おまけのイラストその2。クリックすると拡大します。

次回は翌朝に催されたマーケットとヘイ城の本屋さんをレポートします。

HAY-ON-WYE BOOK SELLERS
hay cinema book shop
C. Arden Bookseller
Richard Booth’s Bookshop
Rose’s Books