暑い日曜日の夕方、広島で。
2012年07月31日(火)
7月22日、家族で広島に出かけた。学校で歴史を学び始めた長男に広島平和記念資料館を見せてあげたかったからだ。朝には雨が降っていたけれど、西に向かうにつれ雲は減り、広島はひどく暑かった。そして僕たちはホテルに荷物を預けるとまっすぐ平和記念公園へ向かった。
僕は中学校の修学旅行の際、訪れて以来、2度目の訪問になるけれど、やはり多くのことを忘れていた。無慈悲な原子爆弾がどのようにして作られ、どうして広島に投下されることになったのか。その破壊力を把握するために事前に広島への空襲をやめるなどの打算と非情さ。そして多くの人々の無残な死と、被曝による過酷な生活。その圧倒的な事実に打ちひしがれる。そんな危険な核弾頭が今なお地球上に数多く存在し、拡散していることも不気味だが、平和利用の名の下、小さく不安定な日本に54基も設置された原子力発電所のことを思うと、さらに気持ちは重くなる。
平和記念資料館を出て西に傾いた太陽を仰ぎ、原爆死没者慰霊碑へ向かう。左右の芝生は青々として、ところどころに咲く小さな野花に少しだけほっとして、原爆の子の像の前で子どもたちといっしょに手を合わせる。そして本安川越しに見えていた原爆ドームへ進む。平和記念資料館では今ひとつわかっていない様子だった次男も、その無残な姿には圧倒されていたようだ。
僕たちが平和記念公園を訪れたのは日曜日の夕方だったけれど、来館者には外国人の姿が多かった。僕自身そうであったように日本人にとっては「いまさら」なのかもしれない。しかし核廃絶は一歩も前進していないし、原発の問題は僕たちの生活や未来をとても危うくしている。もし再び大きな天災が日本を襲い、どこかの原発で事故が起きたらと考えると、どうしようもなく不安になるけれど、怯えているだけではなにも解決しない。
始まったばかりの夏休み、もし、都合がつけば広島を訪れてみてください。また遠方の方は平和記念公園のウエブサイトを見てください。きっと、得るものは多いと思います。