やさしくする勇気。

先日、Twitterなどで話題になった赤ちゃんとお母さんの飛行機旅行の文章を読んだとき、わたしはとても悲しく、やるせない気持ちになりました。そして同じく話題になっていたトルコのエピソード「乗り物で、赤ちゃんが泣かない国もある」。こちらはすごくほっとして、読み終わると涙が出そうになりました。
以前、イギリスを旅行したとき、地下鉄などの階段で母親がベビーカーを運んでいると、通りすがりの人がさっと手伝っていました。ジェントルマンの国とは聞いていましたが、ここまでとは!と感激しました。また昨年のエントリ「小さなメリー / Merry tiny England」にも書きましたが、高齢者へのやさしさを感じるエピソードもありました。ロンドンの真ん中でバスに乗っているとき、あるマダムが「買い物したいから、お店の前で停めてくれるとありがたいわ」と言うと運転手さんはバスを停めてくれたのです。もちろん、それについて苦情を言う乗客はいませんでした。(もっともロンドン在住の知人曰く「イギリス人は子ども、お年寄り、障害者にすごく親切。でもそれ以外にはやさしくないから」とのことですが。)
話を日本に戻すと、わたしたちはだれにやさしくできているでしょう。自己中心的で非寛容な要求を(当然のように)他者へ押し付ける人が増えていないでしょうか。「自分さえ良ければ」、「わが子さえ良ければ」、そんな考えがクレーマーやモンスターペアレント、あるいは、いじめや各種のハラスメントにつながっているように感じます。
子どもたちへ「困っている人がいたら、助けてあげようね」と話すように、わたしたち大人も再確認したい。一人ひとりがやさしい気持ちをもって、みんなと接することができれば、きっともっと暮らしやすい世の中になるのではと思うのです。