おばあちゃんのマスコット、世界をめぐる。

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忘れたころに更新することになってしまいごめんなさい。 petit collabo *005で取材させていただいた大須の雑貨店、miauen(ミャウエン)の看板娘・みめこおばあちゃんの作るマスコットについてご紹介します。前回のインタビューの続きからどうぞ。

キムラ:お店番のみめこおばあちゃんの存在は大きいですよね。

みめこおばあちゃん : うちは3時ぐらいから忙しいから。昼はずっとすわっとるだけだでねぇ。

たまみさん : おばあちゃんは、店番しながらときどき寝てるんですよ。以前はレジまわりが入り口から見えにくくて良かったけど、レイアウトを変えたらよく見えるようになっちゃって。

みめこおばあちゃん : ある日、気がついたらお客さんがレジの前でジーっと見ていてね「あら、すみません」と言ったら、「気持ちよさそうだから、起こしちゃいけないかな?と思った」と言われたりしてね。でもお店にいるのは楽しいよ。

たまみさん : そんなこと言って、おじいさんにまちがえられたときは怒ってたよね。

キムラ : それはひどい。こんなにかわいいのに。

たまみさん : でもね、おばあちゃんって、日本各地からお手紙が届くし、海外の人にも人気があるんですよ。うちは大須観音に近いから外国の観光客の方も多いんだけど、たとえば、台湾の方は訪れた翌日に浴衣を着てもう一度来られて、一緒に写真を撮ってくださいって。そして帰国後にエアメールで写真が送られてきたり。おばあちゃんの作るマスコットを喜んでくれて、帰国されてからお手紙を送ってくれる人も少なくないんです。オランダやスウェーデンからプレゼントが届いたこともあるし。それでおばあちゃんから「返事書けないから、書いてくれ」って頼まれちゃう。

みめこおばあちゃん : 今の若い人は知らないかもしれないけど「わらしべ長者」みたいだよね。わたしの作ったマスコットをあげて、別のものを頂いて。お店にいることで、いろいろな人とそうやってお付き合いできて、ありがたいことだよね。

キムラ:このマスコットはどうして作っているんですか?

みめこおばあちゃん:お客さんへのサービスなの。普段作っているのはね、てんとう虫とかカエルとか、豚とかね。ラッキーアイテムっていうらしいね。お客さんに教えてもらったけど。年末には干支のものをたくさん作って、年が明けたらお買い上げくださったお客さんにプレゼントしてるの。

たまみさん:干支のマスコット、デザインは主にわたしが考えているのだけど、去年は龍だったので難しかった。タツノオトシゴでデザインしたんだけど、尻尾のところをビーズでクルリとなるように表現したら、作るの大変だって。

みめこおばあちゃん:いつもだったら100個以上作れるけどね、去年は100個で精一杯だったね。

たまみさん:おばあちゃん、月イチでマスコット作りの先生をやっているんですよ。

キムラ:それはすごい!先生なんですね。

みめこおばあちゃん:「先生」なんて呼ばれるのいやだ、っていうんだけどね。デイサービスでおじいさんやおばあさんに教えてるの。すごく喜ばれるのよ。男の人が作って家族に見せると「こんなの作れるんだね!」って褒めてもらえるって。そういってもらえるとよけいに嬉しいよね。

海外の方とも、家族ともコミュニケーションがはずむ?みめこおばあちゃんのマスコット。そんなマスコットに魅せられた一人が「Linnea」民芸雑貨案内人の高橋玲子さん。もともと雑貨に関する書籍の編集に携わっていました。今は民芸を感じる小物作りなど、作家活動をしています。高橋さんのマスコットコレクションをちょっと拝借して、メインの写真を撮らせていただきました。ありがとうございました。