Archives for the ‘social’ Category

パレードに参加して。

9月19日、「さよなら原発1000万人アクションinあいち」パレード&デモンストレーション(以下デモ)に参加した。ちょっと寄り道したせいで、スタート地点の白川公園に到着したときは、既にデモは動き出していて、先頭はすっかり見えなくなっていた。参加者が少ないとなんとなく恥ずかしいと思っていたのでほっとしながら、列の後ろに並ぶ。
デモには楽器を持った若い人から、おじいさん、おばあさん、車椅子に乗った人、家族連れ、いろんな人が並び、みんなでぞろぞろと歩く。「この間、どこどこでお会いしましたよね?」なんて会話をしている人もいるけれど、ほとんどの人は黙々と歩いている。おそらく、僕たちと同じように、こういうデモに参加したことなんてないんじゃないかなと推測する。
そして子どもの参加者も多いからか、歩くスピードはゆっくり。僕は若干手持ち無沙汰になって、様子をinstagramにアップした。大した写真でもないのに「いいね」が届く。東京でデモに参加している人から、海外にいる日本人の方からも届く。共感してもらえたのかなと少し嬉しく思う。 More… »

過剰な日常。

イギリス滞在中のキムラとの連絡方法は、iPhoneのSkypeだった。前回の渡英の際にはフリーのWiFiで使ったのだけど、今回はソフトバンクモバイルの海外定額を利用し、VodafoneUKに繋いだ。しかし概ね聞きづらく話しづらい。遅延もひどく会話にならないこともあり、早々にテキストチャットに改めた。宿泊先などのWiFi経由になると、とたんにクリアになり遅延も解消するので、現地の3Gの回線品質の問題なのだろうか。
国内では回線品質を揶揄されるソフトバンクモバイルだけど、海外のキャリアと比較するとどうなのだろう? 震災後、節電のために照明を落としたお店や街が「これでもいいんじゃない?」と思えてきたように、「どこでも間違いなくつながる」も、もしかしたら少し過剰なのではとも思う。もちろん、繋がることに越したことはないし便利だ。でもそのために新たな基地局を増やし、電力を消費する。より多くの電力を用意するために原子力に頼らざるを得なくなる、というのは飛躍しすぎだろうか? More… »

子どもとiPhone(Skype、Twitter編)。

少し間があいてしまったが、子どもとiPhoneの話のつづき。僕たちは自宅で仕事をしていて、登下校時のほとんどは自宅に在宅しているので「いってらっしゃい!」と「おかえり!」が言える。しかし、ときどき打ち合わせなどで部屋を空けると、ハラペコの長男が「おやつ、なに食べたらいいの? えー、もうちょっと食べたい」とか、さびしんぼうの二男が「いま、どこ? あとどれぐらいで帰ってくるの?」とか、どうでもよい電話をかけてくる。そこで彼らのiPhoneを使ってSkypeで電話するようにしてもらった。 More… »

松浦寿輝さんの「afterward」。

今朝、NHKのラジオ第一放送で松浦寿輝さんの詩が紹介されていました。3月29日の朝日新聞夕刊に掲載されたもので、ご存じの方も多いかもしれませんが、こちらでも紹介させてください。

afterward

惨禍の一瞬が私たちの生を
「その前」と「その後」とに分断した
なぜ彼らは(君たちは)そんなに
平静なのか 平静でいられるのか と
ある知り合いのフランス人が言った
呆れたように なじるように
そう見えるだけだよ と私は答えた
しかしもし平静と見えるのなら
それはとてもよいことだ とも
なぜなら「その後」をなお私たちは
生きつづけなければならないから
悲嘆も恐怖も心の底に深く沈んで
今はそこで 固くこごっている
それがやわらかくほとびて 心の表面まで
浮かび上がってくるのにどれほどの
時間がかかるか 今は誰にも判らない
それまで 私はただ背筋を伸ばし
友達にはいつも通りに挨拶し
職場ではいつも通りに働いて
この場所にとどまり 耐えていよう
心の水面を波立たせず 静かに保つ
少なくとも保っているふりをする
その慎みこそ 「その後」を生きるものの
最小限の倫理だと思うから

この先、長く続くであろう「その後」。僕たちもふだんどおりの生活を続けながら、できる範囲の支援を続けて行きたいと思います。

昨日よりも今日が良くなるように。

昨年の春、仕事の行き違いと知人関係の悩みが重なり、わたしは精神的に落ち込んでいました。夜はうまく眠れない、電話が鳴ると心臓の鼓動が激しくなり、メールの着信にも怯えてしまう。平静を装っていても物事が考えられない。「これではいけない、子どもたちに対しても申し訳ない。しっかりしなきゃ」と考えれば考えるほど気持ちばかりが焦り、心が苦しくなっていきました。
そんなとき、ふと本棚から手にしたのが「美術手帳2010年4月号/ディック・ブルーナの謎」でした。ミッフィーはもとより、ブルーナさんのデザインワークが好きで購入していたのですが、そのページをパラパラとめくったとき、ある見出しが目に入りました。 More… »