親の立ち位置 / カラフル

意図したわけではないのだけれど、前回の「海辺の家」と同じく、10代の男の子が立ち直っていくストーリー。もちろん、それは大枠の話で、その世界の成り立ちは大きく異なっているけれど。
直木賞作家・森絵都さんのベストセラーをアニメーション化した本作は、日常の風景を淡々と描きながら、中学生時代の苦々しさ、息苦しさをこれでもかと見せつける。海辺にどかんと家建てよーぜ的な爽快感はこれっぽっちもない。クラスの中の緊張感と疎外感とか、ずれた感じのする教師とか、受験への焦りとか、初恋の女の子への失望感とか、家族への甘えと傲慢とか。「あーこの窮屈な感じってあったなぁ」と、30年前の10代前半をリアルに思い出させてくれた。 More… »