ブチン!となったら思い出せ!/エドワルド・せかいでいちばんおぞましいおとこのこ

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子どもと暮らすのは、基本楽しい。でもいつもニコニコしてるわけにはいかない。どうしても怒ったり、叱ったりということがある。そして怒ったり、叱ったりというのは結構難しい。問題が起こった瞬間に、問題の程度と頻度を即座に判断し、子どもに伝える内容とコースを検討。そして怒ったり、叱ったりするのだ。はぁはぁ。書いてるだけでも大変じゃないか。
うちは長男が9歳、二男が7歳。つまり、10年近くふたりの子どもとつきあってきたのだけど、「あー、今のはこう言えば良かった」とか「こう言うべきだった」なんて反省することしきり。親は子どもといっしょに育つなんて言うけど、いっしょにいれば勝手に育つというものではないのだ。
そんなとき、キムラが大好きなジョン・バーニンガムさんの「エドワルド・せかいでいちばんおぞましいおとこのこ」を読んだ。主人公のエドワルドはどこにでもいる普通の男の子で、ときどき乱暴だったり、ちょっといじわるだったり。そんな彼は大人に「乱暴者だ」と言われれば、いっそう乱暴になり、「いじわるだ」と言われれば、いっそういじわるになる。そして大勢の大人に「せかいじゅうの だれよりも、おぞましい こどもじゃないか!」なんて言われてしまう。
そんなレッテルをはられたエドワルドだけど、ある日、ひょんなことで大人は彼をほめる。すると彼はうれしくなって、花をそだて、動物をかわいがり、部屋をきれいに整頓する。そして子どもから大人まで、だれからも好かれる男の子になる。
絵本ならではのご都合主義的な場面もあるし、実際には褒めるばかりではうまくいかないこともあろう。それでもやっぱり、できるかぎり良い解釈をすることが大事なのかもしれないと思う。頭ごなしに怒ったり、叱ったりなんて、もってのほか。僕たち大人の言葉ひとつで、子どもたちは、がっかりしたり、傷ついたりするかもしれないし、今まで以上にがんばったりするかもしれない。子どもたちを良い方向へ伸ばすのも悪い方向へ伸ばすのも、僕たち大人次第。ブチン!となったときこそエドワルドを思い出さなきゃと思う。