小さなメリー / Merry tiny England

以前読んだカレル・チャペックさんの「イギリスだより」。1924年に書かれたとは思えないほど面白くて、現在のイギリスに当てはまります。その中に「Merry old England」(愛すべき古きイギリス)という言葉がありました。「古いものを大切にしすぎる、改善されない、けれど、それがイギリスの良さでもある」というフレーズ。幾分皮肉な表現ですが、わたしが感じるイギリスの面白さでもあり、気に入っています。
今回は、とある仕事のリサーチでの訪英ですが、日本ではあまり知られていない街を訪れることになりそうです。そしてわたしが大好きな花やガーデン、そして本をめぐる小さな旅もしてきます。
さて、イギリスに着いた当日は土曜日だったのですが、空港からセントラルロンドンへ向かう地下鉄のdistrictlineが土日のメンテナンスのため途中の駅で止まってしまっていました。
向かうホームステイ先へはバスで行くしかありません。ホストマザーに詳しく説明してもらったにもかかわらず、(駅員さんが間違えて教えてくれたというのも有りますが…)うっかり反対方向のバスに乗ってしまいました。
そのバスにお年寄りのマダムが乗ってきました。彼女はpriority seat(優先席)に座っていたのですが、降りるとき「◯◯で買い物したいから、その前で止めてくれるととありがたいわ」といい、当たり前の様にそのお店の前で降ろしてもらっていました。昔、わたしの実家の田舎ではときどきこういうこともありましたが、現代のロンドンの真ん中でなんだかほのぼの。
その後、方向の間違いに気づいて折り返したのですが、こんなメリーな場面を見ることができ、ちょっと嬉しい気分になっていたのでした。

わたしの「イギリスをめぐる小さな旅」お楽しみに。