猫とバラと思い出 / Kew Gardens

7月にイギリスを訪れた際、お世話になったホストファミリーのお宅はロンドン南西部、王立植物園キュー・ガーデンズの近くでした。そこは高級住宅地リッチモンドにもほど近い閑静な住宅街で、ホスト宅でも猫を飼っていましたが、地下鉄駅までの道のりでもたくさんの猫に会いました。ホストファーザー曰く「この通りの家庭ではすべて猫を飼っている」のだそうで、毎日出かけるときに猫たちの写真を撮るのが楽しみでした。
この通りはセミデタッチドハウス(semi-detached house)という2軒続きのお洒落な家々が建ち並んでいて、その前庭の花壇でくつろぐ猫、車の屋根でグルーミングする猫、塀の上でケンカする猫、窓からこちらをじっと伺っている猫、どの猫もとてもかわいかったです。ホストファミリーも猫好きで、隣の猫が家猫のご飯を食べてもあまり気にせず出入り自由でした。
そんな猫たちを眺めながら5分ほど歩くと、キュー・ガーデンズに到着です。2年前に訪れたときは秋で、紅葉と季節の草花を満喫したのですが、今回は夏。明るく美しいガーデンは、遠足の子どもたちでにぎわっていました。バラ園では盛りは過ぎていたものの、たくさんの種類のバラが咲いていてうっとり。バラの画家として有名なピエール=ジョゼフ・ルドゥーテも、ここのバラを精密にスケッチしたそうです。彼のバラ図譜はバラ好きにとって憧れの画集です。バラを満喫した後、訪れたのはホストマザーお勧めの温室「Princess of Wales Conservatory」。サボテンに合わせたメキシコのガイコツ祭りや、フリーダ・カーロをイメージしたディスプレイで来場者を楽しませていました。
園内のショップには種や苗がたくさんあり、ガーデングッズ、子ども向けのネイチャーグッズなども充実しています。ブックコーナーにはガーデニングの本をはじめ、鳥や昆虫など自然にまつわる書籍がおいてあり、見ているだけで癒されます。キノコを特集した本棚もありました。そしてカフェではマフィンやペストリー、紅茶やコーヒーなどを楽しめますが、園を出てすぐのところに人気の老舗カフェ「オリジナル・メイズ・オブ・オナー(The Original Maids of Honour)」があるので、合わせて訪ねてみるのも良いかもしれません。
キュー・ガーデンズからの帰り道、思い出したのは2年前の素敵な出来事。通りすがりでストール(ガレージセールのようなもの)をしていた年配の女性たちとお話しして、お菓子をいただいたのでした。猫と花や緑に癒され、あたたかなやさしさに出会えるこの場所へ、またすぐに行きたくなるのです。


クルマの上で和むホストファミリーの猫ピックルちゃん。


パームハウスの前で。バラが咲き乱れていました。


扉の模様もバラ。


いろんなバラでアーチが作られていました。


微妙な色合いの美しいバラ。


かわいい鳥たち。木陰でひとやすみ。


ガイコツ祭りのディスプレイ。


温室「Princess of Wales Conservatory」の中の蓮池。


おまけその1。2年前の秋のキュー・ガーデンズ。紅葉が美しい。


おまけその2。2年前の秋のキュー・ガーデンズ。降りしきる落ち葉と女の子。


おまけその3。2年前の秋のキューパレス。今回は清掃をしていて、上手く撮影できず残念でした。

Kew Gardens
The Original Maids of Honour