PEU CONNUの花束。

村上春樹さんの「ノルウェイの森」で、主人公のワタナベがミドリの家に招かれたとき、水仙の花束を買っていくエピソードがある。彼はそれを駅前の水辺で摘んできたと話すのだけど、そんな素朴な花束が好きだ。なんのことはない、さり気なくてかわいい花束。
先日、大須のPEU CONNUで久しぶりに花束を買った。大須に住んでいたころはよく買っていたけれど、引っ越してからはなかなか買えなくなった。「どんなふうにします?」「おまかせで」。以前のようにお願いすると、ゆかりさんはお店をひとまわりして、花と緑を選び、ささっと仕上げていく。
ワタナベの水仙ではないけど、そのあたりで摘んできたような花と緑が、ゆかりさんの手の中で組み合わされていく。白い薔薇とピンクの花(なんだろう?)の甘すぎない色あい。ぴょんと飛び出した葉っぱの絶妙なバランス。一目見ただけでPEU CONNUの花束とわかる。最初のcollaboで紹介させていただいたころから、なにも変わらない。
その日、僕は妻とつまらないことでケンカをしていたけれど、花束を渡すと笑顔になった。そういえば大須にいたころも、何かで気まずくなったときや、ちょっといいことがあったときによく花を買っていた。誕生日とか特別なときもいいけれど、なんでもない日の花もいいよね。

collabo *002 PEU CONNU