幻の接客。

先日、1通のメールが届いた。差出人はある居酒屋のアルバイトの女性。出産を機にお店を辞めると教えてくれた。彼女と知り合ったのは子どもがまだまだ小さかったころ。当時はまだ分煙ができていなくて、電話で予約するといつも小さめの個室を用意してくれた(後にこのお店では分煙され、子連れのお客さんも増えた)。愛想のいい人だから子どもたちも懐いて、近くに行くついでがあると連れて行くようせがまれた。
お店はいつも賑わっていて忙しそうだったけど、笑顔を絶やさずテキパキ働く様子が素敵だった。そしてそんな彼女を見ていると、学生時代の居酒屋でのアルバイトを思い出した。常連のお客さんと会話したり、板前さんに料理を教わったり。毎日忙しくて、帰ってくるのはいつも夜中だったけど楽しかった。
居酒屋に限ったことではないけれど、どんな仕事でも楽しくやろうと思えば楽しくなるし、そうでなければとことんつまらなくなる。そんな気持ちの持ちようは、きっとその姿に現れる。直接、尋ねたわけではないけれど、彼女もきっとこの仕事を楽しんでいたのではないだろうか。でなければ臨月の2週間前まで働いたりしないよね(笑)。
どんなにおいしくても、どんなにおしゃれでも、お店の人の印象が悪いと台無しだ。だけど明るく元気な人ががんばってるお店にはもう1度行きたくなる。実際、彼女を見ながら飲むビールはふつうのモルツだったけどすごくおいしかったのだ。
お店で会えないのは残念だけど、元気なお子さんが生まれることを家族みんなで祈ってる。長い間ありがとう。