楽しすぎて、涙も出てくるふとん山。
2012年08月14日(火)
13日の午後、「夏休みの豊田市美術館って、なにかやってないのかな?」と言いながらiPadを開くと、なんだこりゃ? ヘンなのやってるぞ!
早速、みんなで準備して153号線を東へ。道はお盆休みで空いていて、ほどなく美術館に到着する。いつもは静かな美術館なのに、この日は子どもたちの歓声がエントランスまでぼんやり聞こえる。小沢剛さんの「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」で、はしゃぐ子どもたちの声だ。
展示室の入口では、12歳以下の子どもに小さな封筒が渡される。中には2枚のポストカード。まっさらの1枚には自分の好きな人の似顔絵を描いて、ふとん山頂上のポストへ投函。すると会場で展示された後、ふとん山といっしょに次の展示地へ。これまでブリスベン、バンコク、東京、広島をまわり、子どもたちから子どもたちへ、好きな人の絵がプレゼントされてきたという。
そんな素敵なコンセプトもたまらないけれど、なんといっても、100枚ものふとんでできた直径8mの巨大なふとん山。たくさんの子どもが、登ったり、滑ったり、横になって転がり落ちたり。なんとも楽しそう! 僕もキムラも登ってみたが、ふとんのフワフワ感が心地よく、そこにいるだけで笑ってしまう。ふたりとも本当は子どもみたいにゴロゴロしてみたかったのだけど、それはさすがに我慢(キムラはスカートで訪れたことを後悔していた(笑))。
でも何度も登っては降りていく子どもたちの本当に楽しそうなようすを見ていると、ふと、悲しい気持ちになった。このふとん山は、震災の被害を受けている子どもたちにこそ、楽しんでほしいと思ったからだ。
子供たちには、大好きな家族や友達、そして安心して思いっきり遊べる場がなによりも必要です。それは世界中のどの子供も同じです。3.11以降、福島では、泥だらけになって遊んだり、野山を駆け回ったり、おいしい空気をおもいきり吸ったり、水たまりにバシャバシャと入ったり、大きな口を開けて空から降ってくる雪を食べたり、そんな子供たちの小さな楽しみが奪われてしまいました。それらを取り戻すことは、しばらくできそうにはありません。そのことは大人のひとりとして本当に申し訳なく、心が痛みます。せめて子供たちに、つかの間の楽しみを届けたいのです。
クラウドファンディング「READYFOR?」より引用。
小沢さんは福島県立美術館での開催を企画しているものの、美術館では開催のための資金が不足。そこでクラウドファンディングサービス「READYFOR?」を通じて、広く支援を求めているとのこと。豊田市美術館での展示は、あいにく明日15日(水)までだけど、もし、都合がつけば、ぜひどうぞ。そしてこの素敵な展示が、福島や世界中の子どもたちを笑顔にしますように。