おやすみ前の子どもに/Close Your Eyes

IMG_9837_2多読という言葉に出会ったのは、いまから5〜6年前でしょうか。絵本などの簡単な英文を、繰り返し、数を豊富に読むことで、英文を読む力がつくという考え方です。(わたしは厳密に実践しているわけではありませんが)

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SSS英語学習法/多読+シャドウイング

小さい頃から本を読むことが大好きだったけれど、洋書なんて絵本でもムリと思っていました。でも、簡単な物から始めて、積み重ねていくことにより、ページ数の多いハードカバーの小説なども読めるようになってきました。もともと海外の小説が好きだったこともあり、本の中で描かれている事柄を、本来の言語で読むことがとても楽しく、日本語訳に「?」と思うこともままあったので、すっかりやみつきに。

わたしの大好きな村上春樹さんも、高校生の頃、洋書のペーパーバックを安価で買い、読みあさっていたそうです。それによって、会話は無理としても、英語の言い回しを覚えることができたと書かれていました。

絵本には、言葉遊びが多いですし、繰り返しの単語や文章も多いので、英語そのままのリズム、ユーモアを感じることができたら、もっと楽しいと思います。子どもたちにも、洋書に対する抵抗感をなくして欲しいと、夜寝る前に読み聞かせています。そんな中で特にお薦めの絵本を紹介します。

「Close Your Eyes」は、大好きなゲオルグ・ハレンスレーベンの絵本。シンプルな英文なので、きっと読めますよ。ハレンスレーベンは奥様のアン・グットマンとの絵本シリーズ「リサとガスパール」「ペネロペ」などで有名ですね。わたしも大好きなのですが、それとはちょっと違う雰囲気のケイト・バンクスとのコンビもお薦めです。

母さんトラに「Close Your Eyes 目を閉じて」お昼寝をしなさいと促されている子トラくん。でも、眠くないので、あれこれ母さんトラに問いかけます。「目を閉じたら、空が見えなくなっちゃうよ」「目を閉じたら、青い羽根の鳥が見えなくなっちゃうよ」「目を閉じると暗くて怖いよ」
そんな子トラくんの言葉に母さんトラは、「目を閉じたら、もしかしたら空を飛べるかも」とか「目を閉じたら青だけじゃなくて、さまざまな色の鳥に会えるわ」と楽しく眠りに誘うのです。そして、子トラくんの暗闇や眠りに落ちることへの不安には、愛情を込めて答えるのです。「Yes, I will be here お母さんが一緒にいるわ」

表紙の愛らしい子トラくんの表情に、まず、惹きつけられます。ハレンスレーベンの描く動物たちは、なぜ、こんなにも生き生きとして愛おしいのでしょう。タッチは細かくないけれど、トラ親子の毛なみがふわふわと柔らかそうに感じます。自然の景色や、動物たちがリアルに描かれているからこそ、目を閉じた時の夢は、色鮮やかな幻想としてわたしたちを楽しませてくれます。親子の愛情を感じさせる絵本だと思います。

Close Your Eyes
(New York Times Best Illustrated Books Awards)
Author / Kate Banks
Illustrator / Georg Hallensleben
Publisher / Frances Foster Books
September 2002

そのほかのハレンスレーベンとケイトのお薦め絵本
The Cat Who Walked Across France
飼い主が亡くなり、住んでいた家から全く違う場所へ送られた猫が、フランスを横断して元の家に帰るお話。フランスの景色の描写が美しい。猫好きな方にも。

ハレンスレーベンとアンの絵本で、初めての英語絵本としてお薦めのシリーズ
全編を通して、動物の親子の愛あふれるしぐさが描かれています。
動物の数を数えたり、親コアラはkoalaで子コアラはjoeyなど、動物とその子どもの名称が違うことも覚えられます。
Mommy Loves
Daddy Cuddles
Mommy Hugs
Daddy Kisses