ふくおかさんのぶどう畑へ。

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先日の記事をご覧いただいたふくおかさんから「畑見に来ます?」とメールが届きました。もちろん、ふたつ返事で「行きます行きます」と返信。早速、お邪魔してきました。ふくおかさんのぶどうへの愛情と情熱がひしひしと伝わってきて、「だからこんなにおいしいんだ」と納得したのでした。以下、ふくおかさんへのインタビューです。

1房6回。手をかけて。
ぶどうづくりは手間がかかります。花を落として房の形や粒の数を整える「花切り」や、実ってきた粒を剪定する「粒抜き」、病害虫から身を守る「袋がけ」など、機械にはできない細かな作業を根気よく上を向いて続けます。品種にもよりますが、花をつけてから出荷するまで、1房に6回以上はさわりますね。忙しいときにはパートさんをお願いしますけど、「ぶどうってこんなに大変なんだ」ってよく言われます(笑)。でも手をかければかけるだけおいしくなりますから、手は抜けません。

50年の歴史が作ったラインナップ。

うちはもともと多品種のぶどうを栽培をしていて、農園にもゆとりがあるので新しい品種をどんどん試しています。でも苗木から初なりまでは3年ぐらいかかるし、最初の年なんて1、2房採れるぐらいで商品にはなりません。また収穫したもののあんまりおいしくないなんてこともあります。そんな試行錯誤を父の代から50年繰り返し、選び抜かれたのが直売所に並ぶ約30種類のぶどうたち。そして今も10品種以上の新しい品種を試作中。人気のピッテロビアンコの赤や黒も作っていますよ。

食べてくれる人が見えているから頑張れる。
栽培品種を10種程度に絞れば、作業も経営もずいぶん楽になるんです。間違いなく(笑)。もともと手のかかる作物だから、品種によって手入れのタイミングがずれると、忙しい時期がどうしても長くなります。それでも品種を絞らないのは、このぶどうは○○さんが好きだよなぁなんて、ぶどうとお客さんの顔が直結しているから。市場に出してどこかのだれかが食べてくれるではなく、目の前のお客さんが買って食べてくれる。そしてしばらくしてから「この間のぶどう、すごくおいしかった!」なんてニコニコ話してくださる。そんなお客さんの笑顔が私たちの励み。本当に嬉しいです。
そしてお客さんの顔が見えているからこそ、ぶどうの本当のおいしさを味わって欲しいと思います。たとえば、定番の巨峰はもっと大きい粒にすることもできます。でも見た目ばかりを気にして、粒を大きくすると味がぼけてしまう。巨峰の濃厚な甘みを存分に味わってもらえるように、ほどよい粒の大きさで摘み取り、店頭に並べます。多くの品種を作っているからこそ、ひとつひとつの品種を大事に、その風味を損なわないように、大切に育てています。

20090924/天白川近くのふくおかさんのぶどう畑にて


今年のぶどうももう終盤ですがピオーネやバラディなど、まだまだ楽しめます。中でも私のオススメはローヤル。濃紺で小さな粒はちょっと地味ながら、その味は濃厚。種もなく皮ごと食べられるのですが、この皮がおいしい。ふくおかさんも「皮ごと食べられる品種は少なくないけど、皮そのものがおいしいのはあまりない」とのこと。この味、逃すと来年まで食べられません。直売所でおいしいぶどうをどうぞ。

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