先生にも読ませたい / John Patrick Norman McHennessy : The Boy Who Was Always Late

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前回に引きつづき、ジョン・バーニンガムの絵本を紹介します。

いつも遅刻の男の子ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー。彼が学校へ行こうとすると、必ず不思議な事が起こって、遅刻してしまうのです。たとえばワニが突然マンホールの穴からでてきて、カバンにかみつかれて手袋をなくしてしまったり…。遅れた理由を先生に言うと、その突拍子もない内容から「嘘」と決めつけられて、居残りを命じられます。「I must not tell lies about crocodiles and I must not lose my glove. / 僕はワニが出たなんて嘘をついてはいけない、僕は手袋をなくしてはいけない」これを300回書き取りさせられます。そして、その次は教室の隅で400回叫ばされ、また次には書き取りを500回、もしまた次の日もそうだったら木の棒でたたくだなんて!
翌日、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは遅刻しなかったのですが、先生に大変なことが起こります。このとき先生に対していう言葉で、子どもたちもしてやったり!と喜びます。「先生」をはじめとする大人に対し、子どもたちがどれだけ不満を持っているのか、わかるような気がしますね…(笑)。

ところで、どうして主人公の男の子がいつもフルネームなのかというと、法廷で裁かれる被告人のイメージなのだそうです(「ジョン・バーニンガムわたしの絵本、わたしの人生」より)。

さてバーニンガムの絵は、ひとことでは言い表せない魅力にあふれています。男の子や先生、ワニやライオンの表情、歩いている風景、太陽の色と光、そして雲のどんよりとした空、同じようなシーンでも全く違うイメージで描いています。ストーリーはもちろん、イラストレーターとしてのバーニンガムの奥深さにいつもときめいてしまうのです。

John Patrick Norman McHennessy: The Boy Who Was Always Late
Author and Illustrator / John Burningham
Publisher / Crown
1987

先日、神戸のFabulous OLD BOOKさんでバーニンガムの「SEASONS」を買いました。ポスター付きのこの原書は今ではなかなか珍しい物らしいです。(日本語版の「はるなつあきふゆ」はまだ手に入るみたいですね)この絵本はとにかくバーニンガムの画集として素晴らしいです。四季を通じて描かれる美しい景色のイラストを満喫されたい方、ぜひ、手にとって眺めてみてください。Fabulous OLD BOOKさんでは、いつも素敵な洋書絵本と出会うことができます。何時間いても飽きません。

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そのほかのジョン・バーニンガムお薦め絵本・その2
The Magic Bed

原書は「魔法のベッド」ですが、和書では「旅するベッド」となっていますね。和書のタイトルも素敵です。ジョージのお父さんが買ってくれた、古いベッドには秘密がありました。「最初がMで最後がY」のことばを唱えると好きなところに旅が出来る!? ジョージはいろいろと試してついにその秘密のことばを見つけたみたい…。夢という旅に子どもたちを誘うexcitingなベッドタイムストーリーです。