Abbey Road

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以前はサー・ポール・マッカートニー、リアム・ギャラガーが暮らし、今もケイト・モスが住むという高級住宅街・St John’s Wood(セントジョンズウッド)。セントラルロンドンと呼ばれるロンドンの中心部から北西に位置する街です。ここへ通じる地下鉄・Jubilee line(ジュブリーライン)は地下深くトンネルが掘られているため、地上へと向かうエスカレーターの長いこと長いこと! 高所恐怖症のわたしは、振り向くことのできない恐怖から膝がガクガク。震えながらもなんとか地上に出ることができました。
駅からしばらく歩くと、かの有名な Abbey Road(アビイロード)、そして通り沿いにはAbbey Road Studioがあります。わたしがスタジオの前の横断歩道に着いたとき、ひと組のカップルがいるだけでしたが、そのうち若者グループ、家族連れ、女性ふたり組など観光客が集まり、横断歩道を渡り始めました。そして、お決まりのにわか撮影会が始まり、案の定、車は渋滞してしまいます。
イギリスの車は歩行者優先が徹底していて、信号にかかわらず止まってくれますが、観光客はそれをよいことにゆっくり渡ったり、クラクションを鳴らされるまで動かなかったりとやりたい放題。中でも気になったのは日本人の家族。小学校低学年とおぼしき男の子が悪ふざけしながら、何度も往復してましたが、親はなにも注意しません。まさか、旅の恥はかき捨てなんて思っていないよね?
そんなマナーの悪い観光客が去った後でも、最初に会ったカップルだけは、ずっとそこにいました。彼らはこの場所に来たことが本当に嬉しいようで、わたしまでほのぼした気持ちになりました。
帰国後、なにげなく村上春樹さんの「遠い太鼓」を読み返してみるとギリシャ、イタリアでの滞在記に混じって、1章だけイギリスでのエピソードが書かれていました。しかも春樹さんが滞在していたのは、St John’s Wood、Abbey Road沿いのフラット。執筆の間には近くのRegent’s Park(リージェントパーク)をジョギングしていたとか。わたしも行けば良かったなぁ。